カウンターで隣りあわせた年配の男性と話していた時のこと。
「今度、娘が結婚するんですよ。久しぶりに謡ってやろうかと」
と鞄から取り出したのは、一冊の古い謡本「高砂」でした。
節々に赤鉛筆で印がつけてあり、男性は少し恥ずかしそうに言いました。
「昔、少しだけ謡をならっていましてね」
このとき、彼の姿を美しいと思いました。
大切な誰かのために歌ううたがある、美しい文化がある。
一節だけでもいい、私も胸をはって「高砂」を謡えるようになりたい。
一人では恥ずかしいけれど、大勢でなら。
2008年京都から「能楽大連吟」プロジェクトは始まりました。
毎年、世界中の平和を祈って、大人数で「高砂」を謡います。
今に愛される「うた」として、能「高砂」を楽しみながら大切に伝えていきたいと考えています。
能楽を未来へ。
能楽大連吟は、2008年〜2021年は「能楽大連吟実行委員会」で次のメンバーで運営してきました。
深野貴彦、松野浩行、宮本茂樹、齊藤信輔、今村哲朗、宇髙竜成、宇髙徳成、山田伊純、萩原麗子、福井裕介。
2022年5月より「能楽大連吟」という団体を設立し、以下のメンバーで運営しています。
能楽大連吟
松野浩行、深野貴彦、齊藤信輔、樹下千慧、萩原麗子(LOTUS)ほか
所在地:京都府京都市中京区猪熊通御池下ル三坊猪熊町北組364-9
E-mail: nohgakudairengin@gmail.com
■本Webサイト
キャラクターデザイン:箱崎恵子(k-co.design)
WEBサイトデザイン:青木宏文(ホピデザイン)